シンスプリントの原因と対策

シンスプリントの原因と対策

シンスプリントとは?

シンスプリントとは、サッカーやバスケ、陸上競技など、ダッシュやジャンプなどの動作が多いスポーツをしている人の多く見られる疾患です。ランナーの発生頻度が高く、その20%〜50%の人に発生するとも言われています。

 

痛みの特徴として、運動時や運動後などに下腿の内側、すねの内側(主に内くるぶしの上12〜20cm)に痛み、圧痛、腫脹を生じ、我慢して運動を続けていると、ひどい人は運動すらできなくなり、日常生活にも支障をきたしたり、長期の競技の休止を余儀なくされてしまうこともよくあります。

 

今回はその「シンスプリント」の原因、メカニズムなどを詳しく解説し、いち早くシンスプリントの痛みから解放され、競技復帰するための方法をお話ししたいと思います。

シンスプリントの原因とメカニズム

そもそもシンスプリントは「過労性骨膜炎」「過労性脛部痛」とも言われるように、オーバーユースによるものが原因となります。過度にランニングやジャンプ動作を繰り返し行うことにより、筋肉の付着部に炎症をきたし、痛みが出るというものです。

ZAMST ザムスト  シンスプリント 原因 図2 から引用

 

この時に原因となる筋肉がランニングやジャンプ動作で使うヒラメ筋や後脛骨筋、長趾屈筋などです。これらの筋肉が、オーバーユースにより疲労し、柔軟性の低下をきたし、筋の付着部である脛骨内側の骨膜を牽引し、炎症を起こしてしまいます。

 

その骨膜の炎症のせいで、走る時やジャンプをした時にすねの内側に痛みが出たり、運動後もずっと痛みが続いたり、ひどくなると運動時だけではなく、日常生活の中でも常にすねの痛みが続いてしまうような状態に陥ってしまうのです。

症状から見るシンスプリントの重症度

シンスプリントはその症状の出方によって、重症度が4つに分けられます。

 

ステージ1

痛みはあるが、ウォーミングアップなどで痛みが消失する。

 

ステージ2

ウォーミングアップにより痛みは消失するが、長時間運動をしていると痛みが出て来る。

 

ステージ3

日常生活に支障はないが、運動中常に痛みが出現する。

 

ステージ4

局所(脛の内側)の痛みは常にあり、日常生活にも支障をきたしている。

 

皆さんは、どのステージに当てはまりますか?特にステージ3〜4の方は重症の分類に当てはまるので、運動を休止するかすぐにでも治療を始めた方がいいでしょう。

 

ただステージ1〜2の人もまだ軽度だからと安心はできません。そのまま何もせず、過度な運動を続けているとステージ3や4のように症状が悪化して来ることが予測されます。少しでもシンスプリントの疑いがある場合は、早めの対策、治療をお勧めします。

 

こんな人はシンスプリントになりやすい!?

では、一体どのような人がシンスプリントになってしまうのでしょうか?先ほどお伝えしたようにシンスプリントの原因はオーバーユースによるものですが、それだけではなくその人の運動習慣、運動環境、体の構造の問題などによってもシンスプリントになってしまいます。

 

今の自分がこのシンスプリントになりやすい人に当てはまるかどうか、以下のチェック項目を確認してみましょう!

 

・過度な運動量、運動時間、日数

シンスプリントの原因であるオーバーユースの直接原因となるものです。「過度な」となると個人差はあると思いますが、基準を設けるとするとダッシュ動作やジャンプ動作、瞬発力を必要とする運動を一日一時間半以上、週5日以上行なっている方は、シンスプリントになりやすいです。

 

このような激しい運動を日頃から行なっている方は、ヒラメ筋や後脛骨筋、長趾屈筋などの疲労から、脛骨の骨膜の炎症を引き起こし、シンスプリントになりやすいと言えます。

 

・硬い地面や薄くて硬いシューズでの運動を行なっている方

長時間の運動や激しい運動を行なっていない方でも、硬い地面や薄くて硬いシューズでの運動を行なっている方は、通常よりも筋肉や骨膜に負担がかかりやすくなるため、シンスプリントになりやすいです。

 

普段部活などで硬い路地を走ることが多い方や、シューズの柔軟性が低い方、ポイントの少ないスパイクなどを履いて運動をしている方は、そこまで激しい運動をしていなくてもシンスプリントになりやすいため、注意が必要です。

 

・下肢の形態異常

O脚や回内足、扁平足などの方はシンスプリントになりやすいです。このような下肢の形態異常は脚の筋肉の疲労を起こしやすく、筋緊張が高まりやすいため、骨膜を牽引し炎症を引き起こしやすくなるので、O脚、回内足、扁平足の方はよりシンスプリントに対して注意が必要となります。

 

・股関節、膝関節、足関節の柔軟性が低い方

関節というのは骨と骨をつなぐ役割がありますが、その一方で、特にこの股関節、膝関節、足関節は「体重を支える」「体への衝撃を吸収する」という役割もあります。

 

この関節が硬くなってしまうと、体への衝撃がじかに伝わってしまうようになり、その衝撃から身を守るために筋肉への負担が強くなってしまい、脛骨内側の骨膜の炎症を引き起こしやすくなってしまいます。

 

・最近急に運動を始めた方

新入部員や最近急に激しい運動を始めた方は、まだ筋肉もそこまで発達していないため、筋肉への負担がとても強くなってしまいます。このように急に激しい運動を始めた方も、筋肉への負担から脛骨内側の骨膜の炎症を引き起こしやすくなり、シンスプリントになってしまう可能性が高まります。

 

みなさんいかがだったでしょうか?もしもこのような運動習慣、環境に心当たりがある方は、それが原因でシンスプリントになってしまっているのかもしれません。

 

逆に言えば、この5つのチェック項目を行わないようにすればシンスプリントの痛みを少しでも軽減させることが可能になるということです。もしも改善できる場合は、ぜひ改善されてみてくださいね。

 

シンスプリントの一般的な治療法

シンスプリントの一般的な治療法は、痛みの程度によって異なります。ステージ1やステージ2などの、痛みが軽いものや圧痛のみの場合は、運動を続けながらの治療でも大丈夫ですが、ステージ3やステージ4の場合は運動をやめて治療に専念した方がいいでしょう。細かいシンスプリントに対しての治療法は以下の通りです。

 

・運動量の制限

シンスプリントの原因は「オーバーユース」であるため、この運動量の制限が一番手っ取り早い解決策です。しかし、運動量を制限するだけでは、今までの負担による骨膜の炎症は引いたとしても、また復帰すると痛みが出てしまうことがよくあるので、その他の対策も併用して行うことがほとんどです。

 

・アイシング

過度な運動による骨膜の炎症を、なるべく早く引かせるのに重要なのがこの「アイシング」です。痛みの出ているすねの内側だけでなく、ふくらはぎ全体や、うちくるぶしの辺りまでアイシングを行うといいでしょう。

 

・ストレッチ

シンスプリントの原因であるヒラメ筋や後脛骨筋、長趾屈筋などをストレッチにより伸ばします。シンスプリントは、これらの筋肉に過度に負担がかかり、疲労を起こした結果筋肉の柔軟性が低下することで、骨膜を引っ張り炎症が起こり痛みを生じます。

 

そのため、これらの筋肉のストレッチによって筋肉の柔軟性を高めることで、骨膜に対しての負担の軽減を図ることができ、改善、予防にも重要となります。

 

・外用薬の使用

痛みの原因である骨膜に生じている炎症を抑える消炎鎮痛剤を使用します。これにより痛みが少し落ち着くことはあるかもしれませんが、根本的な解決になることは少ないため、その他の対策と併用して行われることがほとんどです。

 

・筋力トレーニング

シンスプリントの原因となる筋肉であるヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋の筋力トレーニングを行い、激しい運動に耐えられるような状態を作ります。ただし、痛みが強い時に筋力トレーニングを行うことは、かえって痛みの悪化を招いてしまうので禁物です。

 

筋力トレーニングは痛みが軽度の場合か、痛みが回復してきて運動再開のリハビリとして行う、再発を防ぐ予防として行うことがほとんどです。

 

・インソールやシューズなどの装具の改善

シンスプリントになりやすい人の特徴としてあげたように、硬い靴や柔軟性のない靴などで運動をすることで、激しい運動をしてなくてもより負荷がかかるようになり、シンスプリントを招いてしまうことがあります。インソールやシューズなど柔軟性のあるものに変えてあげることで、筋肉への負担を軽減し、骨膜の炎症を軽減することも可能です。

 

・足底板による扁平足の改善

扁平足の人は足底のアーチ(土踏まず)がない人のことを言います。土踏まずは足自体のクッション性を高める作用があるので、扁平足の人は足本来のクッション性が低く、その分筋肉への負担が強くなるためシンスプリントや様々な足のトラブルを招きやすいです。

 

その時に効果的なのが足底板というもので、板の上についている出っ張りを踏むことで足底のアーチを作り、足本来のクッション性を高め筋肉への負担を軽減させる効果が期待できます。

 

以上の方法をそれぞれの症状の度合いや運動習慣、環境に合わせて行うことで、症状の軽減を図るのが一般的なシンスプリントの治療法です。

シンスプリントの新宿足改善センターでの治療法

シンスプリントは上記でお伝えした通り、繰り返すダッシュ動作やジャンプ動作などにより、ヒラメ筋や後脛骨筋や長趾屈筋へ過度な負担がかかり筋肉の柔軟性が低下、それにより金の付着部である脛骨内側の骨膜に炎症を来たし痛みが生じます。

 

では、その負担がかかっているヒラメ筋や後脛骨筋や長趾屈筋に対しての治療を行えば痛みは軽減するのかというと、実はそうではない方もいらっしゃいます。なぜ、痛みを引き起こす原因となる筋肉を治療しても痛みが改善しないのかというと、根本的な原因は痛みが出ている場所にないことがほとんどだからです。

 

負担がかかっているヒラメ筋や後脛骨筋や長趾屈筋への施術を行うことももちろん大事ですが、それ以前にそもそもヒラメ筋や後脛骨筋や長趾屈筋へ負担がかかりやすい体の状態そのものから改善していくことが、改善へのいちばんの近道だと考えています。

 

なので新宿足改善センターでは、まず足だけではない全身の体の状態を診察し、全身の血液循環、筋緊張、バランスなどを調整し、根本的にヒラメ筋や後脛骨筋や長趾屈筋への負担が強くならない体の状態を作り、シンスプリントによる痛みの軽減を目指していきます。

最後に

今回はシンスプリントの原因とメカニズム、その対策方法についてお話ししました。現在まだ痛みが軽い方も、なるべく今回お話しした対策を行うことで、悪化を防ぐこともできるし、それが再発の予防にもつながります。

 

痛みを我慢して無理にスポーツを続けてしまうと、日常生活にも支障が出るだけでなく痛みが強くなりすぎて慢性化してしまうことにつながります。

 

もしもあなたがどこへいってもなかなか改善しないシンスプリントでお悩みであれば、お気軽にご相談ください。あなたが少しでも早くスポーツを再開し、痛みなく運動を楽しめるように全力でサポートさせていただきます。